テクニック編


◎ スジボリ  (RX79BDランドセルに使用)

 まずは、彫りたい位置に定規などを使用し鉛筆で線を引きます。
小さなパーツには小さく切ったプラ板が便利です。0.5mm位のプラ板を使うと曲面にある程度なじみますので、使いやすいと思います。
 Pカッターを使用して線に沿って彫ります。この時、一度に決めようと力を入れると、ガイドの定規やプラ板がずれてしまうので極めてかるーく、引いた線の上をなぞるように2度、3度、4度、と目に見えるスジが彫れるまで繰り返します。
 最後に彫れた筋に最小サイズのヤスリをノコギリのようにあてがいギコギコと2度ほどなぞれば完成です。溝が浅いときは、Pカッターを使用して好みの深さまで彫ってください。ここまでくると定規を使わなくとも溝が彫れます。

 ここで使うやすりは、MyTool で紹介のヤスリを使います。ヤスリの断面を使用してプラ板のカットもできます。ただし断面はくさび形になってしまいますが・・・

◎ バーニア@   (RX79BDランドセルに使用)

 プラ板を積層してコーナー部のベースを作ります。この時cの厚みが開口部の広さになります。bはバーニアの個数×2個取れる大きさならokです。プラ板の切れ端を有効に使用しましょう。aは、あとから調整できますので仕上がり予定より少し大きめにとっておきます。

 積層プラ板のcを丸ヤスリで丸く凹むように加工し、必要サイズに切断します。凹ました淵は、手が切れるほどに仕上げてもかまいませんが0.3mm位残しておいてもかまいません。後に壁面を面一に加工するので目立たなくなります。
 前工程で仕上げたパーツを0.5mmプラ板でサンドイッチします。このプラ板の厚さがバーニアの肉厚になります。コーナーをプラ板の肉厚に合わせてヤスリで綺麗に削り上げたら淡水ペーパーでコーナーを慣らして完成です。

 簡単ですよね。ポイントは、どの工程でも少し大きめにつくる事と、たっぷりと接着剤を使うこと、更に、十分接着剤が固まった後に加工することです。固まらないうちに加工するとプラ板の接着面が加工中にずれてあらわになります。
 この3工程で1時間くらいですかねー・・・。

◎ ジャストフィティングパーツの作成
 スクラッチをする際、各パーツ同士のすり合わせは、避けてとおれません。世間一般的に認知されている(?)簡単な方法をご紹介します。

 パーツ同士を組み合わせた際の隙間埋めにポリパテを使用します。隙間を調整するパーツにのみポリパテが付くようにポリパテを付けたくないパーツにセロハンテープを貼り付けます。はみ出したセロハンテープは切り取ります。テープはポリパテが食いつかない材質でしたら何でも構いませんが、あまり厚みの有るものを使用すると隙間が目立ちます。セロハンテープが手ごろでお勧めです。
 次にパーツ同士を組み合わせ、生じた隙間に「これでもかこれでもか」と彫刻刀を使ってポリパテを擦り込みます。擦り込みが終わったらパーツ同士がブレて新たな隙間が生じないようにしっかりとセロハンテープなどで固定し完全に乾くまで放置します。擦り込みが不十分ですと、次工程で表面を削った時に欠けてしまいます。
 完全に乾燥したらそっとパーツを分離し、はみ出したポリパテをヤスリなどを使用して慎重に削ります。
 すると、ごらんのようにジャストフィトしたパーツが出来上がります。

◎ シリンダギミックの作成
 プラモ作成で難しいのはシルバーやゴールドの金属質感表現ではないでしょうか?
サザービーを作る際に行った金属素材を使用した表現方法について紹介します。

 まずは真鍮パイプを切断します。 サザビー編でも書きましたが5mmを超える真鍮パイプはパイプカッターを使ったほうが綺麗に切断できます。
 パイプ径にもよりますが、5mmならカッターを4、5回転させればカットできます。
 カット自体は簡単ですが、難しい点は切断後全長にバラツキがあった時です。 バラツキはヤスリで調節することになりますが、量によっては使用をあきらめ新たに切り直した方が早くて仕上がりが綺麗です。 切断時は慎重に位置を決めましょう。 ベースパーツを1つに決め全てをそれに合わせて切り出すとバラツキが少なくなると思います。
 シリンダーギミックはバイクや車雑誌を参考にして元パーツと組み合わせると可動ギミックの再考が不要でより一層リアルです。
 元のパーツを赤線部でカットし、Aはそのまま使います。 中央部は一般にシェルケースと呼ばれバイクや自動車の場合低圧ガスと共にオイルが封入されています。 @は大抵シェルケース内壁にネジ込まれています。ねじ込まれたこのパーツの中央から突き出したロッドが伸縮する事で衝撃を緩和する訳です。
 加工はこの仕組みを参考にして組上げます。
 プラと金属は素直に接着できません。瞬間接着剤を使用しますが、コマーシャルと同等の強度は望めません。パーツ中央に3mmの穴を空けプラ棒で芯を作り取り付けます。
 とても割れやすいので、穴を空ける際は無理をせずに行います。
 プラ棒をねじ込みました。
このプラ棒をねじ込むときも注意が必要で無理にねじ込むと淵が欠けてしまいます。無理は禁物です。
 その後瞬間接で真鍮パイプを接着します。
 シェルケース側が出来上がりました。
結構リアルだと思います。 バイクなどを見ると2本のショックアブソーバーを平行して取り付ける場合、減水力によって2つのショックが開いてしまわないように、シェルケースに橋渡しをする傾向があります。
 今回は省略しました。
 ロッド側の加工です。
 元をそのまま使えますが、伸縮によって塗装が剥げてしまうと折角の苦労が水の泡。 こちらも金属パーツを使って作り直します。
 まずはロッドを根元から切断し、取り付け部に穴を空け2mmプラ棒を芯にして、3mmアルミパイプ取り付けます。
 こちらが2mmプラ棒の芯をつりつけた状態。この芯にアルミパイプで作ったロッドをねじ込みます。
 ロッドをねじ込みました。内径2mmのはずですが穴を広げないと入りませんでした。 アルミパイプはカッターで切断可能です。
 と、言うわけで完成。リアルな輝きにうっとり。(^o^)
難しいのはリアル感ですね。
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